浅草

今は亡き浅草六区のひょうたん池に思いを馳せる。

投稿日:2011年7月14日 更新日:

浅草寺の境内とその所有地は明治15年に公園地として整備され、一区から七区まで分けられたそうだ。 その時六区に指定されたのが、現在でもそう呼ばれている興行街の六区である。そしてこの六区に寄り添うように瓢箪(ひょうたん)池は存在していた。

「当時の六区は浅草田圃の続きみたいな湿地帯だった。そこで近くに池を掘り、掘った土で興行街を造成することにした。明治十八年のことである。」(大成建設 週刊誌コラムより)

このように、瓢箪池と六区は、その距離や成り立ち共に密接な関係にあったようだ。 

終戦後の昭和26年、瓢箪池は埋められ、その土地を売却して、空襲で被害を受けた浅草寺五重塔の再建資金を捻出したとのこと。

その後、昭和27年、跡地には「浅草宝塚劇場」と「楽天地スポーツランド」、昭和34年に東急グループの複合娯楽施設「新世界ビル」が建てられた。ちなみに現在その場所には場外馬券場「浅草ウイング」がそびえ立っている。

また、下記によると、特に戦後の瓢箪池周辺は、とても面白そうな場所だったという事が伺える。 

池をぐるりと取り囲むように露店が出ていてこれは戦前から変わらない風景であった。終戦後は、池半の公園地を中心に、物騒な場所に変わっていったという。泥棒市場と呼ばれた盗品を売る市、街娼、不良少年、浮浪児、浮浪者などを引き寄せる場となっていった。(「あの日の浅草」より)

なんと、戦後、昭和31年の瓢箪池周辺の貴重な写真をいともたやすく発見してしまったので、ここにその一部とリンクを貼らせていただきます。

「昭和三十一年浅草」より抜粋。

http://www.edo.net/edo/asakusa/s31web/03rokku/02008.html

 

8-bit RGB flat JPEG file, 450x319 pixels (6.25x4.43 inches) @ 72.00 pixels/inch, written by Adobe Photoshop CS

六区側から瓢箪池を見た絵だと思われる。

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左側が瓢箪池、右側が六区の興業街。

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屋台セットの様なものを引く男性。

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左側が瓢箪池で右側が六区興業街。写真中央やや左に「ロック座」。これは現在もあります。

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なぜかニコニコ顔の少年。写真を撮られて照れているのか、、、。

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六区側から見た瓢箪池。

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瓢箪池側から見た六区興業街。大判焼きプレート!?

オシャレな景観 

六区の興業街と目の前の池が斬新な対照をなしている様子はとても新鮮である。当時の六区興業街は、東京を代表する繁華街だったわけであり、そんな街のど真ん中に池が存在していたというのが相当おしゃれ。夜はネオンが池に反射して、とてもきれいだったに違いない。

と思っていたら昔の写真を発見!

 http://www7b.biglobe.ne.jp/~ophl/jp13asakasatop/jp13asakusa12kai3/asa12-img00001.html

「浅草十二階 瓢箪池 花屋敷」より

 

やべぇ~。

翻って、以下、平成23年現在の様子。 

手前からずーっと奥のホッピー通り入口まで、ここら一帯が瓢箪池があった場所。右のグレーの建物は場外馬券場の浅草ウイング。

008

場外馬券場の壁にこんな注意書きが、、、。ちょっとおもしろいかも、と思っていたら、、、。

馬の代わりに人力車が通過。「ヒヒィーン!ブフフフゥ~。」

六区側から撮影。左が場外馬券場の浅草ウイング、中央奥に見えるのが西参道。浅草ウイングとローソンの辺りも全部瓢箪池だったらしい。間の道路が丁度瓢箪のくびれの部分にあたる。

再び、そびえ立つ浅草ウイング。この無機質で完全に周囲から浮いている外観、建て替えて欲しい。

この廃墟感は悪くない。

現在の六区興業街。平日という事もあり、だいぶ空いている。写真左手前から奥にかけて、瓢箪池が存在していた場所。

逆側から撮った写真。道路の右側がすべて瓢箪池だった場所。

当時は浅草のランドマークだった

当時、浅草のランドマークとしての機能を果たしていた瓢箪池。そして、闇夜の水面は六区の輝きを静かに受け止め、また引きたてた。

同時にそこは、多種多様な人間達を引き寄せ、受け入れた場所でもあった。池の周辺には泥棒市場が開かれ、また浮浪者、不良少年が屯し、日が落ちれば街娼が姿をちらつかせた。

物騒で猥雑な魅力を纏ったその池は、浅草という異世界内においてもさらに異彩を放っていたに違いない。そそられる。

この池を失ったことは、浅草にとって大きな損失である。

 

・参考、おすすめ本
地図物語 地図と写真でたどるあの日の浅草―昭和26年から30年代の思い出と出会う

ぼくの浅草案内 (ちくま文庫)

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