センセーブ運河ボート タイ バンコク

バンコク、センセーブ運河ボートの乗り方。渋滞をしり目に「死の水」を滑る。

投稿日:2017年3月5日 更新日:

 

かつて「東洋のベニス」と呼ばれたバンコクだが、今、庶民の暮らしに根差した水路というのはもうそう多くない。

 

そんな中、バンコクを東西に走るセンセーブ運河ボートは、数少ない現在進行形の生活密着型水路の一つになっている。

 

朝夕の通勤ラッシュで立ち乗り客も出るセンセーブ運河ボートは、風情にこそ欠けるものの、バンコクの今を生きる貴重な水路である。

 

ワット・アルンを岸に控えて悠々と流れるチャオプラヤ川をボートで滑る。

そんな定番の運河観光に飽きたら、次に向かうべきは、コンクリートジャングルの低部を颯爽と滑るセンセーブ運河ボートじゃないだろうか。

 

バンコクを更に深く味わいたい人には打って付け、乗車料金も安く、しかもバンコク名物の大渋滞とは無縁というあたりも裏技っぽくていい。

物好きの観光客の姿もちらほらとあり、乗り方をマスターすれば、利便性も際立ってくる。

 

一つ気にかかるのは、極度の水質汚染と鼻を突く異臭だ。

埋め立てを逃れて生き残ったせっかくの運河には、どぼどぼと生活排水が遠慮なく流れ着く。

しかしそれもまたリアルなバンコクである。

水飛沫に注意しなからセンセーブ運河ボート旅を堪能してみて欲しい。

 

 

センセーブ運河ボート

 

 

 

 

 

 

 

プラトゥーナムを基点に、西路線と東路線へ

 

センセーブ運河ボートは、プラトゥーナムを基点にして西路線と東路線が走っている。

 

西の起点が民主記念塔やカオサンロードにも近い、パンファー・リーラート桟橋。

そして東の起点がワット・シーブンルアン桟橋になる。

 

ちなみに地図を見てもらうとわかるのだが、基点のプラトゥーナム桟橋は東西の中心というわけではなく、かなり西よりに位置している。

どちら側からくるにせよ、プラトゥーナムでいったんボートの乗り換えをしなければならない。

 

目的地によってはセンセーブ運河ボートはかなり便利な移動手段になる。

例えば、カオサンロードからバンコクの東側へ出て行きたい時、いくつかの桟橋がBTSやMRT沿線に位置しているという点は押さえておきたい。

また、有名な観光地の一つでもある「ジムトンプソンの家」は、Hua Chang Bridge桟橋から230メートルの所にあり、パンファリラート桟橋からはわずか10バーツほどとだいぶ安く移動できる。

 

 

 

 

基点のプラトゥーナム桟橋。ここで乗り換えが行われる。 

 

 

乗り方、運行時間と料金

 

運行時間は平日の方がやや長め。

 

 

センセーブ運河ボートの運行時間は、平日早朝5:00~20:00、土曜6:00~19:30、日曜6:00~19:00で早朝夕方はラッシュに巻き込まれるので注意したい。

乗車料金は距離によって違うが、1人8~20バーツほど。

パンファー・リーラートからワット・シーブンルアンまですべて乗れば約1時間の船旅になる。

 

 

パンファリラートから東路線終点、ワット・シーブンルアンへ

 

 

西路線の起点、パンファ・リラート船着き場から東部路線の起点、ワット・シーブンルアンまでのボート旅をさらっと紹介してみたい。

 

パンファ・リラート船着き場は、カオサンロードから徒歩で15分ほどの位置にあるパンファ―橋の下にある。

カオサンロード界隈からトゥクトゥクで向かうなら、相場は80バーツほど。中には60バーツで向かってくれるドライバーもいる。

ちなみにトゥクトゥクドライバーには「パンファ・リラート、ピア(埠頭)」と言えば通じる。

 

ドライバけ、途中からトゥクトゥクで

 

 

目印としてはセブンイレブン、右の小脇に船着き場へ降りる小道が伸びている。

 

 

桟橋への小道は、セブンイレブンの脇に。わくわく。

 

 

 

パンファ―リラート桟橋。いったん白のパンファ―橋を潜り、T字の合流地点で方向転換してから東へ動き出す。

 

 

 

桟橋には、オレンジ色の救命胴衣を着た係員のおじさんが数名。

チケットは乗船後にボートの添乗員から購入する。

 

ボートが発進すると、男性の添乗員がボートの淵を歩いて周りながら乗車料金を回収していく。

 

この時近寄って来た添乗員に行先を告げる。

最大で20バーツほどなので、20バーツ紙幣を数枚持っておくと便利だ。

 

船縁を器用に歩くチケット売り。

 

 

前述の通り、川の異臭とボートの排気で「おえっ」とくる瞬間もある。

ボートの両脇には手動のビニールカーテン、「これで防げるでしょ?」という理屈なのだが、それでも多少の飛沫は浴びる覚悟が必要。

私は、サングラスとマスクという出で立ちで乗った。そして、同じような装備をしているボートの運転手も見た。

ところが乗客のタイ人のほとんどは無防備だった。

バンコク市民からは「死の水」と恐れられているという噂も聞くが、それにしては、、、といった風な印象。

古き良きタイを彷彿とさせるような高床式の民家やジャングルの一部を切り取ったような鬱蒼とした一角に目を引かれる。

基点のプラトゥーナム桟橋でボートを降りたら、すぐ前方に別のボートが待機している。それに乗り換えればよい。

コンクリートジャングルの底部を抜ける疾走感もいい。

西部路線の奥の方ではイスラム教徒の乗客や運河沿いのモスクが目立つようになり、多民族が共生するバンコクの一面を覗いているような気分がする。

 

 

 

 

水飛沫ビニールカーテンから。

 

モスク。終点が近づくにつれて、ムスリムやモスクが目に付くようになる。

 

 

約1時間ほどで終点のワット・シーブンルアンに到着する。

 

 

 

小橋の上から。運河は続く、しかしここで行き止まり。残念だ。

 

 

 

 

 

終点のワット・シーブンルアン桟橋はその名の通り、寺院のすぐ裏側にあって、ボートを降りると聞こえてくる、マイクによる僧侶の説教のような声が印象的だった。
寺院内は、大勢の人々でがやがやしていた。

 

 

タイの寺院ではよく小魚や亀が売られている。買って、川に逃がすと徳を積めるという仏教の教えらしいのだが、売るために捕まえる行為は徳を減らさないのだろうか?

どうなの?

 

 

センセーブ運河ボートは、「水の都」という視点から、バンコクをより深く堪能したい旅行者にお勧めの選択肢だ。

 

 

 

-センセーブ運河ボート, タイ, バンコク

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