タイのエイズ事情という記事を書いて以来、自分の中でHIV感染やエイズについての関心が以前よりも高まった。
その後、日本のHIV感染やエイズの現状について少し調べてみたが、由々しき事態であることがわかった。
この記事では、世界の中での日本の現状や特筆すべき点に触れならがら、検査方法なども紹介していく。
日本は、主要先進国で唯一エイズ患者が増えている国
ここ数十年の間、主要先進国におけるエイズ患者の報告数は減少傾向にあると言われている。
そんな中、唯一例外的にエイズ患者の報告数が増えている国がある。
日本である。
残念ながら、日本だけがじわじわと増え続けている。
その原因となっているのが、HIV検査の低迷による早期発見治療の遅れである。
図8. 主要先進国におけるAIDS患者報告数の動向 |

HIV感染は同性愛者だけの問題ではない
厚生労働省エイズ動向委員会、2015年のグラフによると、新規HIV感染者の感染経路として最も多かったのが、
同性間の性的接触で68、7%
であった。
その後に、異性間の性的接触19、5%、静注薬物使用0、2%、母子感染0、1%、その他2、1%、不明9、4%と続いていく。
日本でエイズというと、同性愛者の問題だという風に考えている人もまだまだ多い。
確かに、グラフが示すように、最も多いHIVの感染経路は同性愛者間の性的交渉である。
しかし、その次は異性間の性的交渉が感染経路となっており、決して同性愛者だけの問題ではないことがわかる。
そしてそもそも、このグラフに現れている数字は、あくまで報告されたHIV感染者の感染経路の割合である。
今の日本で最も怖いのは「隠れ感染者」
赤坂六本木診療所院長、赤坂恒雄はHIV検査人口が毎年減っていることを指摘しつつ、某テレビ番組の中でこう警告した。
「今の日本で最も怖いのは、HIVの隠れ感染者です」
これはどういうことか。。
例えば、日本において報告された2013年の新規エイズ患者は484人だった。
つまり約500人の人が新たにエイズを発症したことになる。
そして、エイズ発症者数の10倍の数の新規HIV感染者がいると考えるのが現在の世界の常識になっているのだという。
日本の場合、2013年なら5000人の新規HIV感染者がいるという計算になる。
しかし、2013年に報告された新規HIV感染者数はたったの1106人。
つまりその他に約4000人の人がHIVに感染しているはずだが、彼らは検査を受けていないというわけだ。
そして、感染に気付かないまま今も性行為に及んでいる。
HIV感染者が感染を知らずに生きた場合、一生の間に7人に移すとも言われており、この隠れ感染者の多さが今の日本において最も恐ろしい点である。
エイズウィルスが強くなり、一年で発症するケースも出てきている
今、日本で増加しているのが、40~60代のいきなりエイズだという。
これは、HIVに感染していることに気が付かないまま数年を過ごし、ある日エイズを発症、その時に初めて自分がHIVに感染していたことに気づくケースの事をいう。
エイズは発症後の治療が困難を極めるのは周知の事実である。
一方で、発症前にHIV感染を知ることができれば、適切な治療の元、非感染者とほぼ同じ暮らしを送ることができ、寿命もほとんど変わらないという。
ウィルス事態を完全に消し去ることはいまだ不可能だが、医療の進歩はHIVを「死の病」から「慢性的感染症」にまで引きずり下ろすことに成功している。
しかし、こうした医療の進歩がHIV感染やエイズ発症に対する安易な楽観視へと繋がり、検査への足を遠のかせてはならない。
むしろ全く逆で、早期発見さえできれば非感染者と同じような暮らしと寿命を得られる可能性が高まっているからこそ、検査を受けようという人が増えていくのが理想ではないか。
初期症状は当てにならない
赤坂氏によれば、HIVに感染してからエイズを発症するまで約10年の潜伏期間があるというのが常識だったが、最近ではウィルスが強くなり、たった1年ほどでエイズを発症してしまうケースも出てきているのだという。
また、HIVに感染した直後に初期症状として高熱やインフルエンザのような症状が出るとよく言われているが、それは絶対的な感染のサインではなく、患者の中にはまったく自覚症状がないままに感染している方もいるのだという。
したがって、初期症状のあるなしで感染しているかどうかはわからないと考えるのが無難であり、少しでも心当たりがあれば、すぐに血液検査をするのが鉄則となる。
また、避妊具を正しく使用していればほぼ感染を防ぐことができるといわれているが、100%安全とは言い切れない。
このような点から、医師によっては、性行為の経験がある方はとにかくみな一度検査を受けるべきだと主張する方もいる。
HIV検査の方法
現在、日本でHIV検査を受けようとすると3つの方法がある。
➡病院で検査(診察代、初診料などがかかり、性病に関わるなんだかの症状が出ていないと保険が適用されないこともある。全額自己負担の場合3000~7000円の設定が多い)
➡保健所で検査(無料、匿名で検査を受けることができる。対面で人と話さなければならず、結果は通知や郵送ではなく保健所での面談になる。検査可能日も少なめ)
➡検査キットで検査(匿名、自宅で検査ができ、結果はWEBで確認。2500円~5000円ほど)
無料、匿名で受けれる保健所での検査も便利だが、出向く時間を節約でき、匿名で受けれる検査キットも便利だ。
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