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タイ一人旅の資金。ドカタ仕事を三カ月経験してみた感想。

投稿日:2014年2月12日 更新日:

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旅の資金は道路をつくって稼いだ。photo by Paco Cameo

 

 

私は旅の資金を作るために人夫として道路舗装の仕事を経験した。「水道管工事の後の道路舗装」が主な仕事である。

もう少し具体的に説明すると、「水道管の老朽化による復旧工事」「新築住居への水道管引き込み工事」の後に行う舗装工事ある。このほかにも、単純な道路舗装工事や企業やコンビニの駐車場舗装、民家の庭舗装まで仕事は多岐にわたる。

今日はこの3カ月間の感想を簡単にまとめてみたいと思う。具体的な仕事の内容や、現場の様子、発見や考察などはまた別の機会に書いてみようと思う。これから建設業界や土木業に携わろうとする人がいれば、少しは役に立つ情報かもしれないし、普段無縁の世界として生活している人達にも是非読んでいただきたい。

 

旅(取材)の資金を稼ぐためにはじめた

 

本題に入る前にそもそも私がこの仕事についた経緯を簡単に述べておきたい。

大したことじゃない。

それは旅の資金を作るためであった。家は兼業農家で、調度シーズンオフだった私は、外へ出て働かないと収入がない状態であった。

そんな時、知り合いの働いている建設会社で調度人出が足りていないということで暇そうな(実際は色々多忙)私に声がかかり、こちらも短期の仕事を探しているところだったのですんなり引き受けたのだ。

肉体労働が特別好きだったというわけではなかったし、3カ月もつかどうかも正直怪しかった。

それはひとえに、きつそうだったからである。

しかし刻一刻とせまる旅の日程を考えると、さっさと稼ぎ始めないと間に合わなかったのだ。計画倒れなど御免である。

 

そんなわけで、私の3カ月間のドカタ生活が始まったのである。

 

 意外と苦じゃなかった3カ月間の肉体労働

 

私の前職はサービス業だったが、じつは学生時代にも、大学卒業後も肉体労働を経験したことはあった。ただしその時は引っ越し屋や日雇いのオフィス移転など単発の小遣い稼ぎのアルバイトのみであった。今回のように、3カ月間もの長期間(私にとっては)に及ぶものではなかったのである。

それに以前は一日働いたらもう、「うんざりだ」「なぜ自分がこんなことを」と嘆くのが大抵で、決して長続きした試しがない。それだから、もちろんその後の人生でこの種の労働に従事することになるとは、思いも、そして望みもしなかった。

しかし、いざ始まってみると、毎日の仕事は確かに過酷な事も多かったが、思ったほど苦痛ではなかったのだ。朝目が覚めた時、(仕事に行きたくないなぁ)と嘆きたくなることがほとんどなかったのである。

私の立場はあくまで「人夫」、つまり日雇い労働者であり、社員の方や現場監督の方たちに比べるとその仕事量も責任もプレッシャーも微々たるものだと思う。私自身はクレームも受けなければ、道具や資材の発注も無関係、日程管理などももちろんしなくてよい。

基本的には言われた通りに作業をこなしていればそれで日当がもらえる立場であり、そんな立場だからこそ「意外に苦じゃない」なんて言っていられるのかもしれないことは付け加えておく。

そんな事を踏まえながらも、なぜ毎日いやにならなかったのか(嫌になるのが前提という構えが少々悲しいが)個人的に気になるので少し考えてみたいと思う。

 

人間関係のストレスがあまりない

 

誰にでも「苦手なタイプ(人)」というのがいると思うのだが、幸運にも、今回私が属した班にはそう言う人が少なかった。だから、新人ながら、割とのびのび仕事をすることができたと思う。

また、会社自体も下請けの小さい所だったためか、新人への教育もおざなりで、ほとんど「見て覚えろ、覚えたかったら聞け」といった感じだった。(土木関係の仕事はどこもそうなのかもしれないが)そこには確かに困惑も生まれたが、私の性格には合っていた様で、ほどよく放任されたのがよかったのだと思う。

さらに、現場に出たら目の前の共通の敵(舗装作業)を協力して速やかにやっつけなくてはならない。それに天候や気温、危険なども共通の敵として存在する。

朝会社に集まり、トラックや作業車で現場へ向かい、敵をやっつけて、途中飯を食い、また次の現場へ。夕方会社に戻ったらほどなくして解散、それぞれの住処へと帰っていく。この繰り返しは清々しくさえある。

現場に男しかいないと言うのも、その理由かもしれない。

 

仕事がシンプルである

 

慣れるまでは多少大変だったが、仕事を覚えてしまえば後は基本的に繰り返しだけ。そんなに複雑(すごく頭を使うような作業)なことはやらないのだ。

路面(仮舗装のアスファルト)を剥がし、路盤(地面)を整え固め、アスファルト合材を敷いて焙って固めて、といった具合だ。あとは流れ作業に近く、現場によって応用も必要だが、特別高度な技術は要求されない。

もちろん、「熟練の技」、「職人技」のようなものが存在することは言うまでもないが。

 

体を使い汗を流すのが気持ちいい

 

私は運動が好きな方だし、汗をかくことに爽快さを感じるタイプだ(感じない人もいると思うので敢えて)。だから、肉体労働ならではの疲労感を充実感として捉える事ができたと思う。ジムなどでする運動にはない、「労働」と「運動」が合致して初めて得られる爽快さがある。

 

飯や酒が極上にうまい

 

その結果、昼ごはんや晩御飯、朝ごはんまでもが非常においしく感じるようになった。食べてるものは全く変わらないのに、自分の状態が変わるとこんなにも味が変化するものかと驚いた。

うまい店を探すのもいいけれど、働いて腹ペコになる方が手っ取り早い。

 

知り合いがいたから

 

知り合いが傍にいたというのも大きな理由だと思う。

もちろん、他の同僚たちとは自ら関係を築いて行ったわけだが、「○○さんの紹介で来た自分」という手前、「適当なことはできない」というほどよい緊張感があったから、頑張れたというのも正直なところあると思う。

 

しかし、夜勤と週6日の労働はかなり過酷だった

 

とはいうものの、当然過酷な仕事(一応3K労働)であるから、嫌なこと、辛いこともあったし、「もう二度とやりたくない」と思う瞬間があったことも事実である。

その主たるもの、きつくて大変に感じたことは、

 

  • 夜勤
  • 土曜日出勤
  • 疲労蓄積
  • 単純作業による退屈、マンネリ
  • 危険が伴う

 

と言った具合だろうか。

 

夜勤

 

夜勤の何がきついかと言うと、日中働いて、そのまま夜勤に入る、これが身心に応える。

もちろん夕食後2、3時間の休憩を挟むのであるが、調度いつも寝るころにぐいっと体を起こして寒々しい夜の街に繰り出し、激しく息切らして夜通し労働するのは、いくらまだ20代だとは言えきついものだ。

(ちなみに同僚の多くは40代以上、70歳の現場監督や親方もいる)。

2日以上夜勤が続く場合は、体も慣れてきてだいぶ楽にはなるのだが、今度は夜勤に慣れた体から日中使用に戻す必要もあり、生活のサイクルが乱れ、体がかわいそうになる。

特に、夜勤初日の深夜0時を回ったころがいつもしんどかった。

激しい睡魔が襲ってくるのだ。

 

土曜日出勤

 

月に二回は土曜日出勤があったので、その週は6日間労働となった。こうなると、日曜日はなにもする気力がなく、すぐにまた月曜日がはじまるという状態。

世の中そんな人はざらだろうけれど、やはり2日の休みは必要だと思った。

 

疲労蓄積

 

こうなると、疲労が蓄積されていき、月曜日の朝からすでに疲れている状態が起こる。

この状態で凍結したカチコチの路面をツルハシで何十回と打つのは、逃げ出したくなるほどきつかった。

酸欠。

 

単純作業による退屈、マンネリ

 

作業に慣れてくると今度はマンネリ化してくる。

作業は基本的にいつも一緒、路面を剥がして、再びアスファルトで固めることだから、正直飽きがくる。

私にとっては長期でやる仕事ではない気がする。

 

危険

 

作業現場は、住宅地の路地、駐車場から幹線道路まで様々。

とくに大きな道路での作業は特に危険が伴う。

もちろん道路の片側を封鎖するなどガードマンを置いてやるのだが、例えば数10センチ後ろを大型トラックがビュンビュン行きかう中で作業をしなければならず、飛ばされたり、突っ込んできたりしないかとやたらに神経を使う。

これが夜勤だと、睡魔や疲労も加わり、運転手も飲酒や居眠りの確率が高まり余計に危険だ。

私が働いていた間は幸いにも事故はなかったが、時には死亡事故も起こる。

ガードマンが事故に巻き込まれる事例も多い様である。

 

まとめ

 

冒頭で「意外に楽しかった」と言ってみたものの、いざ書いてみると「よかった点」より「大変だった点」を書いている時の方がよく指が動いていた。笑

やはり、この仕事は大変なのだ。

 

いわゆる3K労働。

「きつい」「汚い」「危険」と三拍子。

でも、当初私のイメージにあったほど、悲壮な仕事でも、人々でもなかった。

そして、きつくて汚くて危険だからこそ味わうことができる充実感があったことも事実だ。

面白い人たちもたくさんいた。

 

 

 

-お金, タイ

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