紙幣のタイ国王
2月の末から5月の頭にかけて、タイ一人旅をしてきた。
合計日数69日というなかなか長い旅だった。
現地での出費に用意した資金はざっと40万ほどで、
できれば30万くらいに抑えて帰ってこれればいいなと考えていた。
結果、約32万円の出費となり、まずまず。
食費が少々かさんだのと、バーで店員に酒をねだられ、断わり切れずに何度か奢ってしまったのが痛い。
血糖値の気になる著者には、野菜が必要不可欠だ。
三食必ず食べるようにしている。
この旅の道中も、けちらず、なるべくきちんとしたものを食べようと心がけた。
そういう事情がなければもっと節約できたと思う。
バーでたかられた件も、きちんと断われば余計な出費は防げるから、これも節約できる。
奢る楽しみと言うのもあるのだけれども。
それと、今回の旅は観光に止まらず個人的取材もかねたものだったために、多少の取材費も出費に含まれている。
たんなるバックパッカーの貧乏旅行ならば、2カ月ちょいで20万円代など、もっともっと安く済ませられるはずだからトライして見てほしい。
さて、お金をどのようにもっていったらいいか出発前に少々悩んだ。
結果、現金とクレジットカードと海外プリペイドカードのトライアングルで挑むことにした。
現金で15万ほど持っていく
大金を持ち歩くのは落ち着かないものだ。
盗難、紛失したら終わりである。
そこで、15万円まで現金で持っていくことにした。
これくらいなら、割と治安のいいと言われるタイではなんとか持ち歩ける額かと思った。
15万円はタイでの1カ月の暮らしには十分の額だ。
これで3月末まで生活し、クレジットカードによるキャッシングの手数料を節約するというプランだった。
なるべく分散したい。
そこで、財布に少々、バックパックと首から下げるタイプの財布に半分ずつという形に分けた。
途中から、首から下げる財布もバックパックの中に入れるようになった。
ぷらぷらして邪魔だし、万が一切れた時気付けるか不安で、ならばバックの中の方が安全に見えた。
クレジットカードを1つ
一つしか持っていないクレジットカード、これは常に財布にいれていた。
財布を紛失した場合に備えてカードの類はなるべく財布に入れない。
クレジットカードは、飲み過ぎて現金が足りなくなった時や、15万が尽きたあとの数回の現金引き落としに使った。
手数料を嫌がって、3月末、4月末の合計2回で済ませたかったが、なんやかんやで4回ほど引き落としてしまった。
飲みにいった翌日、財布が空で、慌てて現金を換金しにいくと銀行はどこも休み。
土曜日だってことに気づく。
それで仕方なくキャッシング。
バーで飲み過ぎ奢り過ぎ、金が足りなくなった時など、近くのATMまで走ってキャッシング。
まだまだ自己管理ができていないと思うけれど、これはこれでいい経験になった。
海外プリペイドカードを申請
現金とクレジットカードの二つでは、なんだか心もとなかった。
それに、クレジットカードの有効期限がちょうど4月いっぱいで、発行が出発に間に合わず、5月3日までのたった3日間でも何があるかわからないので、あと一つ保険が必要だった。
そこで海外プリペイドカードのNEO MONEYを抜擢、速やかに申込すぐに届いた。
出発前に20万円ほど入金していった。
これは、首から下げる財布にいれて、それもバックパックの中に入れていた。
結局向こうで9万円ほど引き落とした。
この海外プリペイドカードは、クレジットカードにはないいくつかのメリットがあり、一枚持っておくと非常に便利である。
旅行以外にも、留学、出張の際の現地での金銭管理にとても役に立ち、これからますますこのカードが普及していくことが予想される。
海外プリペイドカードについて詳しくはこちらの記事にまとめてあるのでぜひ参考にしてみて欲しい。
過去の遺物「トラベラーズチェック」とは?
photo by Samantha Henneke
海外渡航中の金銭管理の一つの方法として「トラベラーズチェック」というものが存在していた。一昔前の旅行者なら、旅先での金銭管理の一つとして利用していた人も多いと思う。
海外渡航中の現金の盗難・亡失といったリスクを回避する手段として、T/C発行元の保証により紛失時に再発行可能な小切手として用いられるものである。基本的に渡航前に所要金額分のT/Cを購入し、行先国で銀行や両替商、ホテルのフロント・キャッシャーにおいて額面の現金へ換金する。所定の手続を踏んでおけば紛失や盗難などの亡失時にリファンド(refund, 再発行)が受けられるのが最大の特徴である。wiki
現在、このトラベラーズチェックはほとんど過去の遺物となってしまったようだ。
というのも、アメリカン・エキスプレスのトラベレーズチェックが2014年3月31日をもって日本国内での販売を終了したことにより、日本でのトラベラーズチェックの購入は出来なくなってしまった。
私は一度もこのトラベラーズチェックとやらを使ったことがない。10年ほど前に生まれ得て初めてカナダへと渡り約一年ほど滞在したのだが、その時は現地で銀行口座を開設したし、クレジットカードも併用していたが、このトラベラーズチェックの出る幕はなかった。
したがって、私個人としてはこの「過去の遺物」にたいして特別な感慨はなにもないわけだが、過去の旅行者などの中にはよく利用していた人も多く、これにまつわる様々な思い出やストーリーがそれぞれあることと思う。
時代の流れの中で、もはや風前の灯となってしまった懐かしの旅のアイテムといった所だろう。
まとめ
幸いにも、今回の旅でスリや盗難、ぼったくりにあうことはなかった。
タイは割と治安のいい方で、よっぽど油断しなければ、大きな被害はないのだと思う。
しかし、場所や状況によっては起こりうるし、悪いやつは虎視眈々と狙っているはずだから、
私のような旅の初心者はとくに気をつけなければならない。
そして、気が緩んできた時にいかに緊張感を取り戻すか、これも大事なことと思う。
部屋のドアに施錠して鍵を二重にしなかったし、中に貴重品を置きっぱなしで出かけたりしていたのに盗難に遭わなかったのはラッキーなだけだったのかもしれない。