カンチャナブリー タイ

カンチャナブリー観光。噂の「死の鉄道」で行く風光明媚な世界。

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アユタヤ王朝時代、ビルマに対する防衛のために造られたカンチャナブリー。

ここは、バンコクから西方に116キロ離れた郊外の風光明媚な観光地として有名である。

 

主要な観光スポットに「クウェー鉄橋」を控え、旧泰緬鉄道の列車旅、谷間を蝶が飛び交うエラワン滝にくわえ、豊かな自然を体験できるトレッキングなども充実している。

西側をミャンマーと隣接するサンクラブリーという街にはビルマ(現ミャンマー)の内戦を逃れてきた少数民族のモン族やカレン族が今でも独自の文化を築いている。

 

 

DSCN3837クウェー鉄橋。

 

 

ここは、日本人にとって縁のある場所でもある。

 

第二次世界大戦中、ビルマ侵攻を目指した日本軍の軍事物資輸送の目的によりタイ‐ビルマ間を結ぶ「泰緬鉄道」が敷設された。

この時、たくさんの現地人、及び連合軍捕虜が過酷な状況下で酷使され、多くの死者が出たといわれている。

こうした歴史的背景から、旧泰緬鉄道がとりわけ欧米諸国から「死の鉄道(Death Railway)」とも呼ばれているのは有名な話。

 

カンチャナブリーの名が一躍世に知れ渡ることになったのは「戦場に架ける橋」という英・米合作映画がきっかけだった。

この映画では、日本軍の捕虜となったイギリス人兵士と過酷な建設労働を強要する日本人大佐の対立や交流が戦争の悲惨さと共に描かれている。

映画にも登場する「クウェー鉄橋」は、今ではカンチャナブリー観光の要になっており、ここを通って約80キロ先の終点ナム・トック駅を目指す旧泰緬鉄道の旅も同じく人気だ。

他にも、「JEATH戦争博物館」や「連合軍共同墓地」、「日本軍建立の慰霊碑」などの見どころがあり、戦争というものについて深く考えさせられる旅路になるかもしれない。

 

 

 

バンコク発の日帰りツアー

さくっと日帰りでカンチャナブリー観光を満喫したい方、自力旅の細かな心配事を忘れて観光を楽しみたい方にはバンコク発の日帰りツアーという選択肢もある。

バラエティー豊富な現地オプショナルツアーがお勧めだ。

 

 

 

カンチャナブリーの市街地とゲストハウス街、ミャンマー国境へ伸びる旧泰緬鉄道

 

左上クリックで一覧がずらり、右上クリックでマップを拡大できる。

 

 

バスターミナルと市街地

 

 

地図を見てもらえば分かるが、街を南北に貫くセーンチュト通りと東へ伸びるウートン通りの交点の辺りがカンチャナブリーの市街地になっている。

 

バスターミナルはちょうどこの辺りにあり、旅行者ご用達のマエナムクワイ通りまでは約二㌔の距離、ソンテオやトゥクトゥクで5分あればたどり着ける。

 

DSCN3930バスターミナル。

DSCN3491このロットゥーに乗ってカンチャナブリーまで来た。まさに「暴走ロットゥー」と呼ぶに相応しい、記憶に残る忌々しい運転だった。(怒)

 

 

ターミナル周辺はソンテオやトゥクトゥク、バイクタクシー、サムローが待機しており、観光客を見つけると呼び込みが始まる。

 

バイクタクシーやサムローは外国人旅行者とみると高い料金を吹っかけてくる場合がある。また、宿が決まっていないと分かるとコミッション(手数料)の貰える宿へ連れて行くこともあり、その場合宿の値引き交渉などはしにくくなる。

 

ソンテオは捕まえるのに慣れてしまえば安くて便利、市内の移動なら通常10~20バーツほどだ。

滞在先や時間に余裕があるか否かにもよるが、節約するなら、トゥクトゥクやソンテオでとりあえずマエナムクワイ通りまで行き、そこでレンタル自転車を借りて観光スポットを周るのが安上がりかと思う。

 

ちなみに私は停車中のがら空きソンテオしか見つけることができず、貸し切り状態でマエナムクワイ通りまで移動することに、、、。

料金は60バーツ。これを少々高く感じ、値下げ交渉に講じたが、粘りに粘った末結局覆らず。

おそらく、これがチャーターの相場なのだろう。

 

DSCN3921ターミナル周辺の市街地の様子。いたって平凡なタイの田舎町。

DSCN3939クウェー鉄橋を模したおしゃれなサムロー。

 

 

マエナムクワイ通り、旅人の拠点、夜遊びも

 

DSCN3533色めき立つ夜のマエナムクワイ通り。

 

 

バスターミナルからセーンチュト通りを北上して5分ほどでマエナムクワイ通りに入る。

田舎町の盛り場といった風の、バックパッカーやタイ女連れのファランが集うエリア。

例のごとく、バービアやレストラン、旅行会社やスーパーなどが立ち並ぶ、旅人の拠点になる通り。

 

この通りは、クウェー・ヤイ川に沿うように走っており、そこから伸びるいくつもの枝路地に葉が生い茂るようにしてゲストハウスが犇めき合う。多くの宿が、悠々と流れるクウェー川を望めるといういかにもな立地だ。

 

DSCN3752やはり川沿いの宿が醍醐味か。

 

 

日が落ちると、バーから放たれるネオンの光に胸騒ぎを覚える。

正直、じっとしていられない。

 

とはいえ、ごらんの通りの田舎町ゆえ、それほど期待できそうな店もない。いや、その素朴な雰囲気がまたいいのだが。

バーは、ここに根を張る流れ者や住み着いたファランたちの憩いの場という印象が強い。

 

タイのバービアではごく自然なことだが、ここカンチャナブリーの盛り場にも、売春を持ち掛けてくる店があった。

 

ほんの数百メートルの通りだ。

興味のある方は、あちこち覗いてみるといいだろう。

 

DSCN3531

DSCN3766派手目のバービアから手作り感満載の小さなバーまである。観光地だが、長閑な田舎町の風情も残している。

 

 

 

旧泰緬鉄道の列車旅、クウェー鉄橋、サイヨーク・ノイ滝への行き方やその他の観光

 

 

カンチャナブリー観光の要、旧泰緬鉄道の列車旅から目ぼしい観光スポットまで紹介していきたい。

 

 

鉄道の旅、カンチャナブリーの車窓から♪

 

旧泰緬鉄道はその名の通りもともとタイからお隣ミャンマーまで伸びていた。

戦後にその一部が撤去され、現在はミャンマーとの国境手前、ナム・トック駅が終点だ。

 

カンチャナブリー駅からナムトック駅までは約80キロあり、片道2時間半ほどの列車旅になる。

 

風光明媚な景色の中を行く人気の観光路線はカンチャナブリーに来たらまず外せないわけだが、なかでも主な見どころが3つほどある。

 

一つ目は出発後まもなく通ることになるかの有名なクウェー川鉄橋、二つ目はカオプーン駅近くに位置する「チョンカイの切り崩し」、そして最後がタム・クラセー駅の手間にあるテタム・クラセー桟道橋である。

 

 

マエナムクワイ通りからカンチャナブリー駅までの行き方

 

マエナムクワイ通りからカンチャナブリー駅までは歩いて15分ほどでたどり着くことができる。

 

地図上で言うと、マエナムクワイ通りは水色のラインに示した通りになる。

カンチャナブリー駅はI。地図をズームインして詳しい位置を確認してみて欲しい。


 

DSCN3626カンチャナブリー駅はセーン・チュト通りに面している。毎晩かどうかは不明だが、駅前の広場ではナイトマーケットが開かれることも。

DSCN3638カンチャナブリー駅からナム・トック駅までは100バーツ。発車時刻が近づくにつれて、ぞくぞくと観光客がホームに入り込んで来る。小腹を満たすために売店でカップヌードルを求め、啜った。晴天の空にうっすらと虹がかかる。幸先よしだ。

DSCN3656出発前の車内。欧米からの観光客がもっとも目立っていた。

DSCN3654私の席は見晴らしのいい窓際、、、のはずなのだが、すでに欧米女性がずっしりと陣取っていた。まぁ、いいか。彼女はスペインからの旅行者だった。道中、ぽつぽつと会話をしつつ、シャッターチャンスではお互い譲り合いながらの、良き旅の友であった。

DSCN3659クウェー川鉄橋を通過。鉄橋は観光客に開放されており、列車が来たらもちろん自分でよけなければならない。

DSCN3695タム・クラセー桟道橋。窓から身を乗り出し辛うじて撮影。

二時間半ほどの列車旅を無事に終えて終点ナム・トック駅に到着。駅の周囲には小規模のマーケットやレストランがあり、このあたりでしばし一息ついて、腹を満たすこともできる。

この周辺のホテルを予約しておけばナム・トックでゆっくりと一泊して帰るのもいいだろう。

そのまま日帰りでカンチャナブリーに戻るのならふたたび列車に乗るか、もしくはより短時間で到着するローカルバスという選択肢もある。

列車の旅にも風光明媚な景色にも私は十分満足し切っていた。そこで、サイヨーク・ノイ滝までソンテオで移動し、そこから出ているバスでカンチャナブリーへ戻ることにした。

DSCN3710終点ナム・トック駅で下車すると、ちょっとしたマーケットやレストランがあるので、この辺りで休憩できる。

DSCN3712チキンカレー、野菜ジュース、パイナップルジュース、合計150バーツ也。

レストランを出ると駐車場で待機中のソンテオに乗り込みバス停のあるサイヨーク・ノイ滝まで風を切る。

たまたま乗り合わせたアルゼンチンからの若いカップルと少しだけ仲良くなり、滝を見終わったあとも同じバスでカンチャナブリーまで戻ることになった。

ナム・トック駅からサイヨーク・ノイ滝まではソンテオで5分ほどで到着する。

DSCN3728サイヨーク・ノイ滝。水は冷たいが泳ぐもよし、水辺で涼むもよし。

DSCN3744バス停には例のカップル。付近にはお約束のマーケットや食堂に土産物屋、セブンイレブンもあるので安心だ。

 

アイヨーク・ノイ滝付近のバス停からローカルバスでカンチャナブリーの中心地までは40バーツ、一時間半ほどでたどり着くことができる。

列車の旅の場合は片道二時間半ほどだから、ローカルバスだとざっと半分強の時間で市街地まで戻ることが出来るという計算になる。

さらに、列車の場合、タイミングが悪ければ発車までに長い待ち時間を過ごさなければなるまい。

 

時間的にも、金銭面も、そして新鮮味という点から考えても、日帰りの場合のリターンはローカルバスがお勧めである。

ちなみに行きの列車で同席したスペイン人女性も同じバスに乗り込んできた。みな、考えることは一緒のようだった。

 

 

クウェー鉄橋をピンポイントで観光

 

列車の旅で通過するクウェー鉄橋は観光客が歩けるように解放されている。

よって、個別にクウェー鉄橋を訪れのもあり、目と鼻の先の第二次世界大戦博物館を見学するのもよい。

 

マエナムクワイ通りからクウェー鉄橋まではわずか二㌔ほどの距離、十分歩いて行ける距離だがなんせ炎天下、レンタル自転車が楽ちんか。

ちなみに私は徒歩で頑張ったが。

 

DSCN3789マエナムクワイ通をひたすら北上。さび付いた看板に矢印で「クウェー鉄橋/第二次世界大戦博物館/JEATH戦争博物館」

ん?JEATH戦争博物館は真逆の方角のはずだが、、、。

 

DSCN3790途中のレンタル自転車屋、一日50バーツ、半日40バーツだそう。

DSCN3823クウェー鉄橋到着。橋の付け根にはミサイルがお出迎え。この橋が、英米軍によって数度の爆撃を食らったためだろう。

DSCN3834下から見上げるクウェー鉄橋。

第二次世界大戦博物館

 

DSCN3800博物館入り口付近。入場料30バーツ。

 

クウェー鉄橋のすぐ手前には第二次世界大戦博物館があるので鉄橋と一緒に見学しても良いかもしれない。

博物館の奥には1943年に日本軍が捕虜にたったの三カ月で作らせたという木橋の残骸を見学することができる。

 

 

JEATH戦争博物館

 

DSCN3953入場料30バーツ。

 

JEATH戦争博物館はマエナムクワイ通りから南へ二㌔ほど離れたメー・クロン川沿いに位置している。

ちょうどクウェー鉄橋とは真逆の方角に当たる。

 

過酷な状況下で捕虜により建設された旧泰緬鉄道が、とりわけ西欧諸国から「死の鉄道」と呼ばれているのは前述した。

そして、当時の悲惨な状況を現在に伝えようとするのがこの博物館だ。

 

映像鑑賞では、痩せこけて骸骨のような無残な捕虜の姿を目にし、改めて戦争の悲惨さを痛感した。

たまたま一緒に訪れたタイの友人もいたたまれない表情でずいぶんと胸を痛めていたようだった。

 

こうした「博物館」は飽くまで一つの歴史資料であり、そのすべを鵜呑みにしてしまうのはいささか危険だとは思うが、まずもって戦争というものについて考えるきっかけにはなることは間違いないだろう。

 

 

DSCN3869

 

 

Forgive But Not Forget

 

一度訪れてみる価値はあるだろう。

 

 

カンチャナブリー観光におすすめのゲストハウスや夜遊びに最適のホテルはこちらの記事へ。

-カンチャナブリー, タイ

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